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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
愛する男との間に授かった命をいとおしむほなみを見て、史は胸の奥が鈍く痛むのを自覚した。
最初はそれを祐樹へ対する嫉妬だと思っていたが、次第に違うのではないか、と感じ始める。
景子は果たしてほなみと同じように幸せな妊婦だったのだろうか?
いや、ほなみと同じな訳がない。
ほなみには、彼女と子供を守る祐樹が居る。景子には誰も居なかった。
もしも、ほなみが景子のように一人で――と考えると、落ち着かない気持ちになってしまう。
それでなくても子供を生む、という作業は男には想像しがたい。作業、等と表現する事自体、世の女達は良く思わないかも知れないが、男には子を生むことなど不可能なのだからどんな風なのか言い表す事だって上手く出来やしない。
あんなに華奢でたおやかなほなみが、痛みに耐えて赤ん坊を生むことなど出来るのか?その痛みで死んだりしないのか?
そんな心配が止まらなくなってしまう。
――心配?
この俺が女の心配だって?
史はそんな自分の心に驚いた。