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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
「史……私……貴方にお願いが」
「ん?……ああ……そう言えばそんな事言ってたな」
景子の小さく、だが真剣な声で史は我にかえり、彼女に向き直る。
景子はスラックスの布をその小さな指で握り締めて震える声で言った。
「ひとつ目はね……」
「ん?複数あるのか?」
聞き返すと肩を大きく震わせて口をつぐんでしまう景子に、史は笑ってその肩を叩いた。
「景子が俺にお願いなんて初めてだしな……てか、誰かのお願いを聞いた事なんてないんだよな~俺……
まあ、二つでも三つでも十個でも言ってみろよ?……叶えられるかどうかはその内容によるけどさ」
「……あ……あのね史」
景子は、初めて思いやりを見せる彼に戸惑いながら切り出した。