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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
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「まったく……無茶ぶりにも程があるんじゃね?」
史は、ジンジャーエールをストローで一気に飲み干し、苦笑しながら呟いた。
――あんな風に綺麗に泣かれて言われたら、嫌だなんて言えないじゃないかよ……
景子の「頼み事」とは、ひとつは洋平に会うこと、そしてもうひとつは、クレッシェンドの臨時メンバーにエントリーする事――だった。
洋平の事は、取り敢えず会うだけで名乗らなくていい、との事だった。
『私と史は別れたら他人だけど、洋平は違うもの……洋平にとっては史は父親だし……洋平は史に会う権利があると思うの……』
いつかは言われるだろうと思っていたが、実際に耳にするとある種の重圧が史を圧倒した。
彼女が妊娠したとわかった時『子供なんか居たら音楽活動の邪魔だ』くらいに思って、彼女にもそんな言葉を投げつけた覚えがあるが――
本当に子供と対面する――想像するだけで正直逃げたい気持ちになった。
第一どんな態度で接したら良いのかわからない。