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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド



『お前って本当に嫌味なくらいに美形で嫌なやつだよな――』



ふと昔よく挨拶がわりに言われた言葉が頭を過った。

退屈な高校の午後の授業――数学の時間は史の昼寝タイムだった。

史は数学が得意で、特に復習しなくても充分ついていけたし、テストでも常に上位だった。

おまけに当時の数学の担任の女教師は史にメロメロで、史が少し憂いを含ませた瞳で彼女に近づき『ねえ、先生、俺って人よりも沢山睡眠を取らないとしんじゃう病気なんだよ……だから……先生の授業の間、寝かせて?』というお願いひとつで彼の言うなりだった。

よく遅刻する史だったが、成績は概ねよかったし、大きな問題を起こす生徒でもなかったから――少々異性関係が派手なことを除けば――

『困った子だねえ』という苦笑いと共に大目に見てもらっていた。


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