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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
いつものクラス委員の鼻にかかった号令の後で教室じゅうの椅子を引き生徒達が一斉に立ち上がる喧しい気配で史の眠りはいつも覚まされるのだが、気だるい身体はまだ惰眠を貪ろうとして彼を机の上に突っ伏させたままだ。
そうしていると、決まって祐樹の明るい声が飛んできた。
史の前の席にドカッと腰掛け――ぞんざいな仕草の筈なのに、祐樹がすると優雅に見えるから不思議だった。
頬杖を付いて覗き込みながら、ふざけて耳に息を吹き掛けてくる。
『うっわ……お前……それ毎回やめろよな』
流石にこれはたまらず顔を起こすと、祐樹は史の嫌がる表情を面白そうに見詰めて言うのだ。
『史~放課後だぞ~楽しい楽しい音楽の時間だぜ――』