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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
放課後音楽室や講堂で祐樹達とバンドの真似事をして遊んでいた日々がとてつもなく遠く感じる。
あれから十年以上経つのか――
祐樹と史、亮介と三広、野村。性格が全く違う者同志だったが音楽の趣味が合い、バンドを組んで演奏するようになった。
流行りのJーPOPから歌詞の意味も分からない洋楽をコピーしてはそのバンドのメンバーの物真似をふざけてしてみたり、文化祭で演奏したり――
あの頃の思い出はただただ面白くて楽しい、という言葉しか浮かばない程に輝いていた。
「……」
史は、自分の口元が歪んでいる事に気付き、取って付けたような笑顔を貼り付ける。
あの頃は自分も漠然と未来に希望を描いていたような気がする。
このまま一緒に奴等と音を鳴らして毎日が過ぎていくと――そんな風に簡単に考えていた。