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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド




――あの時、祐樹はなんて言ってたんだったけな……



史はジンジャーエールの味が薄く残る氷を口一杯に頬張り噛み砕きながらその時の祐樹の言葉を思い出そうと記憶を探るが、どうしても思い出せなかった。

その記憶の断片を思い出したのも久しぶりだった。




「全く……景子が無茶な事を言い出すからこんな――」



史が思わず呟いた時、目の前のガラスをコツン、と叩く音に気付き顔を上げる。

目の前には小さな男の子――額に青い紙かなにかを貼り付け、キャラクターのはまじろうの顔の形のポシェットを下げていた――を伴った、白のTシャツに
黄色いパーカにGパン、ポニーテールというカジュアルな装いの景子がいた。

笑顔の景子は相変わらず美しいが、史が見たことのない表情をしていた。




――そうか、これが、母親の顔ってやつなんだな――と史は思った。




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