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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
「だって遊園地好きだも――ん!それにママはもっと好きだもんね――っお兄さんも好きでしょ――ね―っ」
「おっ……お前っ……いい加減に」
「ようちゃん、今日はお熱があるし、乗り物を二つだけ乗ったら帰るってお約束でしょ?」
景子は困惑といとおしさの混じる眼差しを洋平に向けて優しく諭すが、久しぶりに母親と遊園地に来ている嬉しさから洋平のテンションはヒートアップするばかりで、史の襟足まで伸びた髪を掴んで軽く引っ張りはしゃぐ。
「うん!わかってるよ――!」
「そうだ……亮介といえば、今日は奴に付いてなくて大丈夫なのか」
「うん……今日は、ほなみやあぐり、カナが……ほなみの友達なんだけどね……その子達が見てくれてるの」
景子の口調から、景子が彼女たちを好いているのが伝わってくる。
史の胸に安堵のような気持ちが広がる。
その事にまた彼は戸惑っていた。
今まで景子の家族関係や友人の事など全く興味もなくどうでも良かったのに、今景子の周りに彼女を気に掛ける人達がいるという事に安心する自分は、どうしてしまったのだろうか。