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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
自分の中で訣別したと思っていた彼等――祐樹達と対面しなければならない、と腹を括ったからだろうか。
最初景子にクレッシェンドの臨時メンバーにエントリーをしろと言われたときには何の冗談だ――と怒鳴りそうになったが、景子は今だかつてない程に真剣だった。
気色ばむ史の迫力にも気圧される事もなく、その瞳の中に蒼い焔をちらつかせながら凛とした通る声で言い切った。
『最初で最後のお願いなの。史なら、出来るわ……だって貴方はスターになる男なんでしょう?』
かつてここまで挑発的な物言いをしてきた女は居なかった。
その瞬間、史は初めて景子に「惚れた」のかも知れない。
――女にここまで吹っ掛けられたら、逃げる訳にはいかないだろ……
史はまた思い出して苦く笑い、尚もちょっかいを出してくる洋平の脇を擽り反撃する。