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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
「ようちゃん……大丈夫?」
史の擽りに笑い声をあげていた洋平はいつしか苦しそうに咳き込んでいて、景子が小さな背中を擦っていた。
「あ……ああ、おいお前、本当に具合悪いんじゃんか……」
史は洋平を抱え直して花壇の側のベンチに座らせ、かおを真っ赤にして咳をする洋平の頭を撫でる。
それはごく自然な仕草だった。他にどうしてやれば良いのかも分からないのもあったが。
景子はそんな史を見て不意に目頭が熱くなるが、指で瞼を押さえてチラッと向こうを見て言った。
「ようちゃん、飲み物買ってくるわね。喉が乾燥してるから余計よくないんだわ……史、少しの間お願いね」
「ああ」
史は駆けていく景子の後ろ姿を見送ると、ますます烈しく咳き込み身体をくの字に折る洋平の背中を擦る。