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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
洋平は少しずつジュースを飲み、半分ほど空けてから息をついた。
「ケホッ……ママ、今日は本当に2つしかダメなの?僕、ジュース飲んだら元気になったから大丈夫だよ‼」
「ダメよ~おばあちゃんとも約束したでしょ?」
景子は、実家に洋平を迎えに行った時の母の眉間に皺を寄せた険しい表情や、尖った言葉尻を思い出し、苦くなる。
洋平は相変わらず熱が上がったり下がったりの繰り返しで、昨夜などは咳がひどく眠れなかったらしく、今日の外出は延期しようとしていたのだ。
だが「明日はママとお出掛けするんだもん」と言い張る孫に母も根負けしてしまったらしい。
『全く……普段面倒を見ているのは私なのに、たまに来るだけで貴女は洋平に喜ばれるのよねえ……良いところ取りとはよく言ったもんね』
母がボソリ、と言った皮肉が胸に突き刺さり、喉元まで反論が込み上げてくるのを懸命に堪えた景子だった。