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第31章 運命のメリーゴーラウンド

　景子のそんな微妙な表情に史は反応し、声をひそめる。



「息子とのデートにしては浮かない顔だな……そうか、あの綾波って奴に相当キツく言われてんのか?大体、今日だって出てきて本当に大丈夫だったのか?」

「……史」



　景子は、甘えるように胸に頬を擦り付ける洋平の頭を撫でながら驚きの眼差しで史を見詰めた。

　今の言い様はまるで景子を心配しているようではないか。今までには無かった事だった。第一、他の女を景子の前で平然と抱いたり、妊娠したと告白した景子を無慈悲に放り出した男ではなかったか。