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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
だが、きっと史は勝つ――と、景子は確信していた。一目その姿を目にしただけで心を奪われそうな悪魔的な美貌、聴くものを魅了する不思議な歌声は、世の中の女も男も虜にするのではないだろうか。かつて景子が彼に初めて出逢って急速に惹かれてしまったように――
史に、自分と洋平の運命を託す覚悟だった。
それは薄氷の上を踏むような危険な賭けなのかもしれないが、やってみるしか他にない。なりふり構っていられる場合ではない――もしも駄目だったらそれはその時に考えようと思った。
怖い気持ちと、今こうして親子三人で過ごせるという幸せで胸の中が波打って苦しいくらいだった。