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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
「ママ――!あれに乗ろうよ!」
洋平はメリーゴーラウンドを指差した。色とりどりの装飾やライトで彩られた作り物の白馬達や馬車が明るくどこか懐かしいメロデイーが鳴るなかでゆったりとしたスピードで廻っている。
「ようちゃんはお馬さんが好きよね……」
景子は目を細めて呟く。洋平はとにかく馬が登場する絵本や写真集などがお気に入りだった。
――あのね、ぼく、早く大きくなって大きなかっこいいお馬さんに乗るんだ。
――ようちゃんは、競馬の選手になりたいの?
――ううん。お馬さんに乗って、ママを迎えに行きたいから、乗れるようになりたいんだよ!
寝物語に洋平の好きな馬が出てくる絵本を読んであげると、洋平は景子の頬を小さな指でなぞりながらそう言ったのだった。