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第32章 言葉に出来ない

「……なんか……ちょっと前から思ってましたけど……西君も神田さんもイメージと違う……」




　下らない論争を繰り広げながら小突きあう二人を見て、カナがボソリと呟くと、あぐりは頷いた。



「まあね～テレビで見たり素敵な曲を聴いてるだけなら王子様だけどね～所詮生身の人間だし、こんなものよ。男って幾つになってもおバカなところあるし!」

「こんなものよって……ちょっと酷くない?」



　ほなみは二人を止めようとするが、あぐりの言葉に少し頬を膨らませる。



「ほなみ～なんかあんたも旦那に似てきた?そういう拗ねる表情とかそっくり!」

「えっ?うそっ」



　ほなみは思わず掌で顔を覆った。