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らぶあど encore!
第32章 言葉に出来ない




 
「史……っ」

「悪い……黙って見てられなかったんだよ」




 泣き顔の景子に、史は長い睫毛の瞳を伏せてすまなそうに言う。




「不味かったよな……」

「――ううん……あ……ありがと……史……っ」




 景子が何度も首を振ると、大きな瞳から止めどなく涙が溢れ落ちた。

 折れてしまいそうな小さな肩はがくがく震えて、紅い唇は小刻みに戦慄いていて、史は思わず景子を強く抱き締める。

 景子も溺れる者が藁を掴むように史にしがみつき嗚咽した。

 史は景子の体温と涙の熱さを胸に感じながら、ただただ彼女の髪を撫でて「大丈夫だって」と繰り返す。

 何が大丈夫なのか、自分には何が出来るのかも分からないのに無責任な――という想いが過るが、今はそう言ってやる事しか出来ない。




 




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