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らぶあど encore!
第33章 言葉に出来ない②
退院し、実家に戻った直後は氷の様な目を洋平に向けていた母が、白い産着に包まれて眠っている洋平が微笑すると、引き寄せられるかの如く腕を出していとおしげに抱き、笑顔になった事――
初めて「ママ」と可愛らしい声で呼ばれた日の事――
入園式、鞄の方が大きくて「鞄が歩いてるみたい」と言うと、そのつぶらな瞳を輝かせて「ボクのカバン、歩けるの~?じゃあ、一緒にかけっこもできるかな~」と大喜びした事――
初めての運動会で徒競走で一等を取って「ママにあげる」と金色の折り紙で作ったメダルをくれた、誇らしげな表情の洋平――