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新月
第3章 美月
「チヨさん…?」


美月はチヨを呼んでいるようだ。


「は、はははぃぃっ!!!」

(び、びっくりした!)

頭の中は、美月のことでいっぱいだったので、

本人が急に現れると目の前がチカチカしてしまった。



クスリ…


美月が柔らかく微笑んでいた。

「チヨさん、少し、お話してもよろしいかしら?」


「はい!」

チヨは頬を赤く染めながら、

美月の部屋に恐る恐る入った。

すると、

フワリ——。

部屋の中からは先ほどと同じ、藤の花の香りがした。




「…いい、匂い…。」


クスクス…

また、美月が笑っていた。
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