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新月
第8章 悍ましい




—聞いてはいけない……。



でも、もし、自分が何か必要とされていたら?



—いや、こんな夜中に、用などないだろう。



寝てしまうのが、一番………










チヨは、落ち着かない気持ちで、布団に入ろうとした。






「………ふぅぅ………ぁぁっ……ぁあっっ」



とてもとても小さいが、扇情的な艶声が聞こえてきた。



ハァハァ…


ハァ……ハァ……



自分の息を殺して、聞き耳を立てる———。









いけないことだと、わかってはいたが、

寝たふりをしたつもりで、意識は横の部屋に集中していく——。







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