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叔父姪えっち
第7章 抱かない
「あれぇ、ミキちゃんこれなに~?」
叔父さんは冷蔵庫のタッパーを見つけて大きな声で聞いてきた。
わたしは叔父さんの反応が見たくてキッチンまで大股で行くと入り口に仁王立ちになって言った。

「飲み屋やってる茜さんって綺麗な女の人が置いて行ったよ」
「あ~あ~、茜さんかいな。へぇ~おいしそうや」
叔父さんはタッパーから煮物をつまみあげて一口食べた。
「ん、うまい」
呑気にニコニコしている叔父さんを見るとなんだかむかついた。

「お祭りの日にお世話になったとか言ってたけど、叔父さんあの日帰ってこなかったよね」
「あぁ、役所の人らと打ち上げをな。茜さんとこ朝までやってたから」
叔父さんはなんでもない風に答える。
ふぅん~と答える声に剣があるのが自分でもわかる。

いつもならここらで叔父さんが「なんや焼きもちかぁ~」とか言いながら絡み付いてくるところなのに。
叔父さんはタッパーのご飯を器に移して「お~こっちもうまそう」なんて言っていそいそとレンジに入れている。

「飲み屋の人がただのお客さんにご飯持ってくる?」
「え~? まぁあの日だいぶお店で金使うたからお礼みたいなことちゃう」
「じゃあ役所の人全員にお礼してるの?」
「いやぁそんな事ないやろけどなぁ」
「叔父さんにだけ?」
「さぁなぁ」
「だってうちの番号も知ってたし」
「あ~。聞かれたから答えた気ぃもする」
「鉄太郎さんって呼んでたよ」
「は~まぁ客商売の人やし親しみ込めてくれてんやろなぁ」

わたしの不機嫌に気付いてるはずなのに、叔父さんはわたしの質問をのらりくらりとかわし続ける。
わたしは続ける言葉がなくなって、お腹痛いからご飯いらないっと言い残して部屋に駆け込んだ。
叔父さんがわたしの背中に「ほなミキちゃんの分置いとくからお腹すいたら食べな~」と普通に声をかける。

大人ってずるい。
わたしはタオルケットにくるまると、なんだかくやしくて少し泣いた。
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