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叔父姪えっち
第7章 抱かない
夕方、タケオくんからラインが入った。
合宿が終わったから少し会いたい。わたしは条件反射のようにOKの返事を出す。

八時過ぎ、家まで来てくれたタケオ君は花火を持っていた。
そして後ろにはあつこちゃんもいて、ほんまは二人でやりたかったんやけど……と言うタケオくんの背中から飛び出してわたしに抱きついてくる。

「あつこも一緒にやるもん! ミキおねぇちゃんと花火するねんっ」
あつこちゃんの大きな声に叔父さんも出てきて、四人で花火に火をつけた。

火薬の匂いに包まれて、きゃーきゃーと騒ぐ。
暑いし煙いけど楽しい。
夏だなぁ。

あつこちゃんと花火を回したり火を移しあったりしていると子供に帰ったみたいになって、わたしはずいぶんはしゃいでしまった。
タケオくんと、叔父さんは途中から縁側に座ってなにか喋っていて、はしゃぐ私たちを優しい目でみているのがわかった。

くすぐったいような安心感が胸を満たすのがわかる。
二人の事が、特別なんだと思った。
そんなの前からわかってると思っていたけど、なんだか急にその事が胸に迫った。
つんと鼻の奥が痛くなる。

涙ぐんでしまうのを煙のせいにする。
三人が笑って、わたしも笑った。

最後の線香花火は四人で同時に火をつけた。
一番最後まで残ったのはあつこちゃんで、でも二番目だったタケオくんがわざと火を落としたのをわたしも叔父さんも見た。

「えぇやつやなぁタケオくんは」
帰って行く葉山兄妹を見送りながら叔父さんがぽつりとつぶやいた。
「そうだね」
答えたわたしの頭を叔父さんがぽんと優しく叩く。

今日も叔父さんはきっと部屋には来ないだろう。
叔父さんは、ただの優しい叔父さんになってしまった。
いつか理由を聞かせてくれるだろうか。わたしはあきらめの溜息をそっと吐き出した。
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