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叔父姪えっち
第8章 ひとり・ふたり
「案外泣き虫やなぁミキちゃんは」
息を吐きながら叔父さんが言う。
わたしはもう何を言われようがどうでもよくて、ただ唇を重ね続けた。
離したらもう触れられない気がして。
叔父さんが興奮してくれるように、わたしの気持ちが伝わるように。

「わたしの気持ち」ってなんだろう?
わたしは叔父さんが好き?
叔父さんが言うように手近な誰かにすがりたいだけ?

わからない。
わからないけどでも、わたしはここにいたいと思った。叔父さんのそばに。
わたしにはその権利があると思った。
他の誰よりも、叔父さんのそばに居るのにふさわしい女だと思った。
お母さんの娘だから。
叔父さんを捨てた女の娘だから。
叔父さんを愛した母親の遺伝子を受け継いでいるから。

叔父さんの体はわたしにぴったりで、わたしの体だっておじさんにぴったりのはずだ。
お母さんがそうなるようにわたしをしつらえたんだ。
もしくは神様のおぼしめし。

ならわたしはここにいなきゃ。叔父さんのそばに。


そこまで考えるとあとはもう何も考えなかった。
叔父さんの唇に舌を割り込ませる。
奥で固まったままの叔父さんの舌を舌で絡めて引っ張り出す。ざらり、とぬるり、の感触が同時に舌先を撫でる。
じぃんと体の奥が痺れる。

薄く目を開けると叔父さんはじっと目を閉じていて、眉間にしわを寄せていた。
わたしは語りかけるように舌を絡ませる。
叔父さん、叔父さん、叔父さん。


わたしたちは、ひとりじゃないよ。
わたしたちは、ふたりなの。
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