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叔父姪えっち
第9章 思いでぽろぽろ
いつの間にか眠っていたみたいで、叔父さんの腕の中で目が覚めた。
「起きたかぁ」
「ん……」
「風呂入るぅ?」
「ん~」
「中だしてるし洗っといたら~?」
「めんどくさい……」
「寝てる間に一応拭いたったけどな~」
「ん~」
「あれ反応薄いな」
「ん~」
まだ眠い、と叔父さんの胸におでこを擦り付けながら言う。
「うん、寝たらえぇで」
「ん~」
そう言われると目が冴えてくる。

「叔父さん」
「うん?」
「わたしが帰ったら、またあの人とするの?」
わたしは気になっていたことを聞いてしまうことにした。
「あー。茜さん?」
「うん……」
「さぁ~なぁ~」
「……」

わたしは叔父さんに背を向ける。叔父さんがやんわりと腕で包んでくる。
「嘘嘘。美妃ちゃん怖いからな~大人しくしとくわ」
ぎゅっ、と叔父さんの腕を掴む。
自分から聞いたのに、なんだか言葉が出てこない。
わたしが黙っていると、叔父さんがゆっくりとした調子で話し出した。

「その、なぁ、結局、俺が色々手ぇだすのって、先が不安やからやと思うんや」
「……不安?」
「そ。この先結婚もせんと一人でおったら、まぁおることになる思うけど、そしたら老後とかさぁ不安やん。孤独死だのなんだのあるやん。だからなるべく人と関わろうとしてまうんやと思うんや。役所の仕事以外にも時間割いて人の世話したりなんだり」
「たまに綺麗な人つまみ食いしたり」
「だはは」
「……」

「ごめんごめん。でもさぁ、なんか、俺今綺麗な気持ちというか……。この夏の思い出だけでやってけそうな気がしてるわ」
「なぁに、それ」
「なんか~美妃ちゃんにもらった素敵な思い出があれば一生生きてける気がしてるねん」
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