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叔父姪えっち
第10章 はじまりのおわり
「まぁ、まぁ、まだ本格的に受験の時期でもないんやし向こう帰ってゆっくり考えたら。家族と話しおうて」
叔父さんが助け船を出す。
「そうだな、とりあえずは帰ろう。詳しくはそれからで、な」
「はーい。でもわたしの気持ちは伝えたからね。ないがしろにしないでよ」
明らかにほっとした様子のお父さんを強く見つめてくぎを刺す。

はーい……、とお父さんが俯いて小さく返事をする隙に叔父さんの方を見る。
叔父さんはまだびっくり、と困った、の合わさった顔をしていて、わたしがにやっと笑って見せるとしょうがないなぁ、って感じでちょっと笑った。

「じゃ~荷物取って来るか」
叔父さんが言って立つのでわたしも立ち上がる。
「あ、あたしも行く」
「待ってます……」
お父さんはしょんぼりした感じで座っている。

ちょっと可哀相かなと思うけど、いずれ家は出るだろうし遅いか早いかだけだよ、と思いなおす。
廊下に出て、こっそり叔父さんの手に指を絡める。
「こらっ」
小さく叔父さんが言う。わたしは振り向いて後ろを見る。
「大丈夫、お父さん来ないよ」
叔父さんも後ろを確かめてため息をつく。

「なによ、法律か心理学って~」
小声のまま叔父さんが言う。
「ふふ。叔父さんが仕事の間にいろいろ調べたんだ~。ほんとにこっちによさげなとこがあったから」
「それにしてもやなぁ」
「勉強もほんとやってたんだよ、多分すごい成績上がると思うから、そしたらまた説得する」
「……ほいで勉強してなにするつもり」
「……ふふふ」
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