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ノベルラブ
第1章 居酒屋
よく笑う子だなぁ、可愛いし、店でも人気だよね~などとぼんやり考えていると

「スミレさんって、趣味なんなんですか、休みの日とかなにしてんですか?」
と急に質問されて頭が回らない。

「休みのヒ~?」
「あはは。はい、休みのヒ~は」
「知りたい?」
「知りたいから聞いたんですよ」

 ふうむ。と考えるふりをするけど何にも考えてない。

 気が付いたら口走っていた。
「……エロ小説」
「はい?」
蒼井君の声がひっくり返る。

「エロ小説を書いてる」
「……えっ」
「ふっふっふ、驚いたか」

酔っぱらって何も考えてない私は蒼井君が驚いてくれたことにとても満足した。

「えっマジですか」
「マジよ」
「え~~すごい」
「なにが」
「いや、なんでしょうね。すごいなぁと思って」
「ふふん」

 普段なら絶対言わなかっただろうけど、イベントが終わって気が抜けたのと、誰か一人にくらい言ってもいいんじゃないかと思ったのだ。

もちろん誰にでも言う事じゃないけど、蒼井君なら変な風に言いふらしたりしないだろうと思ったから。

 というかまぁ単純に酔っぱらってるんだなきっと。


「ちょっと酔い覚めましたよ俺」
「私はだめ~。もう眠い」
「寝ちゃだめですよ」
「ん~」
「それ食べたら出ましょう、俺送りますし」
「へぇ~やったぁ」

 何も考えてない私は夜道が怖く無くて済むと思うとアイスをバクバク食べた。

 蒼井君はニコニコして見てて、適当に話題を振ってくれて、いい感じの相槌打ってくれて、楽しい。
大学院生の蒼井君は人当たりもいいし仕事もできるしかしこくて可愛い。
実は結構お気に入りだ。


 いい夜だなぁ~と私はご機嫌で、アイスを食べ終わると帰る宣言して二万円ほど置いていくことにする。

蒼井君も明日講義あるんで~と一緒にくっついて出てくる。
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