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Doki Doki/one way love〜一方通行の恋
第6章 すれ違い
「おい」
「ひっ…」
翌朝も
係長と顔を合わせなくて済むよう、早くから起き出して音をたてないよう気を付けたつもりでいたのに
よりによって係長もいつもより早く起きてきた
「お前、もしかして俺のこと避けてる?」
「ど、どうしてそんなこと…避ける理由なんてないですー」
「そうか?何か変だぞ、お前」
「へ、変とは、何ですかっ、相変わらず、し、失礼ですね」
「あのさ…」
「あっ、あー、えっと、今日は朝当番で…あ、もうこんな時間、行かなくちゃ」
「お前、俺に何か隠してること無い?」
「か、隠してる、って…な、何をですかっ?」
「今日の夜…」
「あっ、ごめんなさい、私っ本当に、もう行かないと
遅刻しちゃうので…お先に行ってきまーす」
「……」
「あ、そうだ、私、今日は遅くなりそうなので、お夕飯は冷蔵庫に用意しておきましたから」
「星野、おい、ちょっと…」
ヤバイ、ヤバイ、出遅れた
お夕飯の支度で手間取った
急いで支度したつもりだったのに
なのにまさか、係長もいつもより早く起きて来るなんて
丁度いい具合に開いたエレベーターに慌てて駆け込んだ
「ふぅ…朝から疲れた」
「おはようございます」
「ひっ、は、速水さん、おはようございます」
「今日はいつもより早いですね」
エレベーターに乗って来た速水さん
今日も朝から爽やかスマイルがカッコイイ
「ああ、そうだ、星野さん、映画はお好きですか?」
「はいっ、す、好きですっ、大好きっ… あっいえ、その、映画好きです」
くすっ
「仕事の関係上、よく招待券貰うんだけど、良かったら今度一緒に…」
「はいっ、是非っ」
“招待券”というワードに脳内センサーが敏感に反応し、かぶせ気味に返答をする、ガッツク私に少々引き気味の速水さんだった