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Doki Doki/one way love〜一方通行の恋
第6章 すれ違い


駅前からの道のりを、映画のあのシーンが面白かったなどと、なんだかんだ和気あいあいに喋りながら歩いていたら、いつの間にかマンションの前まで来ていた

「星野…?!」

「ん?あっ、係長!」

「星野さん、知り合い?」

「あの、こちら会社の、いえ、マンションの同じフロアの瀬川さんです」

「瀬川さん、こちら、速水さんです」

「瀬川です」

「こんばんは、速水です」

丁度良いのか悪いのかわからない絶妙なタイミングで開いたエレベーター
乗り込むと、無言になる三人

「……」

「……」

「……」

気まずい静寂に、息が詰まりそうになる

「あっ、速水さん、この階でしたよね、それじゃここでっ、今日は本当にありがとうございましたっ」

「あ、ああ、こちらこそ…」

エレベーターが速水さんの部屋の階に着くと、背中を押し出すようにしてさっさと閉ボタンを押した私

「……」

「……」

エレベーターが部屋の階に着くと、そそくさと降りて、さっさと部屋へ向って歩き出す私
だが、足の長さで係長に負けてしまう
鍵を開けて部屋に入ったところでドアが閉まる前に後ろから腕を掴まれてしまった

「星野」

「ひっ?!」

腕を掴まれた反動で引き戻される形になり、係長の唇が耳元を掠る
耳元で発せられる低い声ににビビる私
係長は私を壁際に追い詰めると、両手を着いた

「……?!!」

こ、これはっ
まさしく
世間でいうところのいわゆる壁ドンである

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