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Doki Doki/one way love〜一方通行の恋
第6章 すれ違い
「遠慮なさらずにっ、ささっ、どうぞどうぞ、今日もお勤めご苦労様でしたっ」
「お、おう」
いつもと違って妙に下手に出る雛を不審に思いながらも、駿は満更でもない様子だ
「今日は特にリクエストが無かったので麻婆豆腐にしてみました」
「ふーん… お前、そんなもん作れたんだ」
作るといっても市販の麻婆豆腐の元に、買って来た豆腐をぶち込んだだけである
が、ちょっと褒められるとすぐにお調子に乗る、誰かさん
ふふん、と鼻の穴を広げて、麻婆豆腐が駿の口元に運ばれるのを見届けようと、目を離さずにガン見する
ぶははっ
「…お前っ、変な顔」
熱々の麻婆豆腐が雛の顔面に直撃したのは言うまでも無かった
「全くもうっ」
顔を赤くして怒りながらシャワーを浴びる雛
くくっ…
「おーい、大丈夫かぁ」
声をかけながらもまだ笑っている駿
「大丈夫ですっ、それより係長! 心配するか笑うか、どちらかにしてもらえませんかねっ」
ぶはっ
「だって、さっきのお前の顔…」
「もう、いいですって」
あまりに頭にき過ぎて、バスタオルを巻いたままの格好で洗面所から出てきて怒る雛に、笑いながら振り向いた駿が、一瞬真顔になったことには全く気付いていない雛だった