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Doki Doki/one way love〜一方通行の恋
第7章 隣のさゆりさん
この日以来、さゆりさんはお菓子を餌に時折コーヒーを飲みに来るようになっていた
食い意地の張っている、いや、甘い物に目がない雛は、さゆりさんが持参するお菓子の誘惑に勝てず今日も部屋へ入れてしまっていた
「なに… これっ」
なんと、今日さゆりさんが持参したのはお菓子ではなく紛れもない、イケイケ"ランジェリー”だった
「あのぉさゆりさん、これはちょっと…」
「あなたねっ、そんなこと言ってたら、今に浮気されちゃうんだからっ」
「……」
浮気もなにも、そもそも二人には何も起こりようが無いのである
「いいこと、 雛ちゃん、あなたは世間知らずだからわからないかもしれないけど、あれだけのいい物件を世の女達が黙って放っておくはずが無いのよっ、略奪されてもいいの?」
そういうあんたも狙ってたくせに
よく言う
「ここは私を信じて勇気を出して攻めるのよっ」
「いやぁ、でも流石にこれは…」
「何言ってるのっ、今時これくらい… 普通よ普通っ処女じゃあるまいしっ」
「……」
!!!
「って… え? あなた、まさか…」
「な、何が… ですか」
「そう、そうだったの… あなた達、まだなのね? そういうことなのね、わかったわ、あなた達が何処かぎこちない感じで余所余所しい理由が… それにしても駿さんは何を考えているのかしらねぇ、一緒に住んで、ましてや婚約までしてるってのに、まだ手も出してないなんて」
す、鋭い
怖るべし女の勘
「そ、そうかなぁ、おかしいかなぁ」
ある意味当たってるけど
「そうよー、健康な男女が同居したら取り敢えずはなるようになるものじゃないかしら… 見たところ草食系男子って感じでもないし… いいえ、どちらかと言えば肉食系よね、あれは… 好きな女に手も出さないなんて… それとも大切に思うあまり手を出せないとか…」
さゆりさんは真面目な顔で頷くと、声を潜めてジリジリと距離を縮めて来る
「もしかして…」