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外れない首輪
第3章 御主人様の瞳
午後三時…挨拶回り先、最後のその会社は広瀬さんの友人の会社らしい。
話が長くなるかもしれないから、直帰してもいいよ。とは言われたのだけど、
職場に報告する手前、そうもいかない。
会社そばのカフェで待つことにした。
カフェで文庫本を読みきり、少し手持ち無沙汰になったのもあり、エントランスを見つめながら思い返す。
広瀬さんの目にゾクリときたのは、初めて会ったときだけだった。
その後一週間一緒にいたけど、そんなことはなかった。
優しくて、話も面白い人。甘党、なのにコーヒー好き。
笑顔が可愛くて童顔なのに低い声。
恋をする、心が欲しい。よりもあの瞳で見られ嗤われたくてたまらないのは何故だろう。
何故あの時ゾクリとあの感触がしたんだろう、
どうして私は彼を妄想して自分を責め立てるような自慰を毎晩しているんだろう。
答えは簡単だ。わかっているのに、認めたくないだけ…。
あの目は…御主人様の瞳だ。
そして私はその瞳に惹かれてしまう類の女ということだ。
今もここに座って、上司という名の主を待っている。
犬みたいだ。そう思った。
「ごしゅじん…さ…ま…」小さく呟く。
エントランスから広瀬さんがちょうど出てきたところだった。
話が長くなるかもしれないから、直帰してもいいよ。とは言われたのだけど、
職場に報告する手前、そうもいかない。
会社そばのカフェで待つことにした。
カフェで文庫本を読みきり、少し手持ち無沙汰になったのもあり、エントランスを見つめながら思い返す。
広瀬さんの目にゾクリときたのは、初めて会ったときだけだった。
その後一週間一緒にいたけど、そんなことはなかった。
優しくて、話も面白い人。甘党、なのにコーヒー好き。
笑顔が可愛くて童顔なのに低い声。
恋をする、心が欲しい。よりもあの瞳で見られ嗤われたくてたまらないのは何故だろう。
何故あの時ゾクリとあの感触がしたんだろう、
どうして私は彼を妄想して自分を責め立てるような自慰を毎晩しているんだろう。
答えは簡単だ。わかっているのに、認めたくないだけ…。
あの目は…御主人様の瞳だ。
そして私はその瞳に惹かれてしまう類の女ということだ。
今もここに座って、上司という名の主を待っている。
犬みたいだ。そう思った。
「ごしゅじん…さ…ま…」小さく呟く。
エントランスから広瀬さんがちょうど出てきたところだった。