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外れない首輪
第6章 CLUB Bee
ショースペースでアンナ姐が口上を述べる声が途切れ途切れに聞こえるのを、ソデで私は半ば諦めたような心境で椅子に座って聞いていた。
この椅子ごと運び出されたら、ショーが始まる。
そこで私は、まだ身体も重ねたこともない、焦がれる相手の前で恥ずかしい姿を見せることになる。
とても恥ずかしい…だからこそ興奮していたし、身体が熱を帯びて濡れてきているのを感じていた。どうしようもない、Mの性だ。

カーテンが開いて、空気が揺れる。椅子がゆっくりと運び出され、止まる。ショースペース真ん中で、私は視線が突き刺さっているような気になる。思わず、足をすり合わせ身体を揺らしてしまう。
嘲るような笑い声が聞こえ、アンナ姐には、自分で拡げて見て戴くよう言われる。
躊躇すると、手に軽く鞭を打たれたので、言われたとおりにする。
足を抱えるように持ち上げ、指で引っ張って開く。お約束のシナリオだ。
あそこはきっと、ヨダレを垂らすように蜜を滴らせ、物欲しそうに口を開いた様子が丸見えになっていることだろう。
どよめいた様子に、さらに溢れてくる。
「シオリは待ちきれない様子ですわね。どなたかこれで栓をしてやってくださいません?」
アンナ姐が客席の誰かにバイブを手渡してるようだ。嘘…聞いてない。
ちょっと待ってと声を出そうにも、口枷でくぐもった声にしか出なかった。
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