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【短編集】real
第2章 瑠璃
男と女の体に相性があるというのなら、私と信ちゃんの相性はぴったりだと思う。
私は最初の一回で彼の体の虜になった。
もちろん、彼自身にも。

だから誘われればすぐについていったし、何度も体を重ねたし。
今日はこのままお開きになるんじゃないかと思われる日には、あえてアルコールを口にして帰れないようにした。

ただ、信ちゃんとエッチしたかったから。
それだけ。

でもね、知ってる?

信ちゃんじゃなかったら、エッチしないんだよ。
なのに信ちゃんはそんなことお構いなしで。
私の体の上でぐったりしたかと思うと、すぐにティッシュに手を伸ばす。
私はいつも足がガクガクするくらい体力を消耗してしまうから、恥ずかしいと思っても彼が私の大事なとこをキレイにしてくれるのを黙って受け入れる。

それが終わると、信ちゃんは必ずベッドから降りてシャワーを浴びて。
そのままタバコに火をつけて。
私はその音たちを聞きながら眠りに落ちるのだ。



けど、なんでかな。
今日は眠くない。
もちろん体はだるいし動けないけど、彼の吐く小さな吐息にさえ、敏感になってしまう。
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