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【短編集】real
第1章 拓人
僕はそんなことを思いながら目の前に座る弘樹を眺める。
自ら誘ったくせに、目の前に置かれたハンバーガーの包みを開けることもなく、ただコーラの入った紙コップを両手で温めている。
そんなことをしていると氷が溶けて薄くなるよ、と言いたくてしかたがないのだが止めておいた。
普段から気の抜けた炭酸や氷で薄まってしまったコーラを飲むと、まるで子供のように騒ぎ出すくせに。
弘樹は昔から目立つ存在だったと思う。
決して漫画にあるような好青年でも美青年でもない。どちらかと言えば、三枚目の役者のようにひょうきんで、教室の中心にはいつも弘樹がいた。
例えば、教室にいる人間を3つのグループに分けるとしよう。
1つは自分たちの世界観で生きている、俗に言うオタクだったり少しおとなしくて、悪い言い方をすれば暗い、という集まり。
でも彼らは同じ仲間で集まると僕なんかが想像もしない力を発揮して、正直驚くことが何度かある。
弘樹なんかはそんな彼らを馬鹿にしたりするけれど、こちらに何も害を与えない限りは僕には関係ない。
とは言っても彼らは善良な生き物だ。
こちらが攻撃しない限りは刃を見せることはないのだから。
だからこそ、その牙を剥いた時の変貌振りを想像すると、僕は身震いしてしまうのだけれども。
もう1つは、ごくごく普通の高校生。
大きく目立つこともなければ、毎度のテストでは上位から中盤を占め、適度に学校生活を楽しみ、適度に学校終わりの時間も青春をしているのだろう。
偏見かもしれないけれど、僕はこの手のタイプが一番わからない。
彼らの笑顔が本心からなのか、それともその場をうまく生きていくための生まれながらの処世術なのかを計ってしまい、結果として会話もうまくできない。
彼らに比べれば先に出たグループの方が僕には付き合いやすいかもしれない。
そして、最後。
人からみたら評価は様々な人たち。
軽いとかチャラいと言われることもあれば、同類の女の子たちにはイケてると言われる。
まぁ、人生敵なし、楽しいことが至上主義と思わせる天才だ。
明るい性格を持ち見た目の優れた者はそれだけでそのグループの仲間入りを果たす。
見た目が優れないものは、例えばわざと笑いを誘いながら自分の存在をアピールして、不恰好な見た目を三枚目の役者に塗り替える。
陰でその仲間入りをするために努力をしていることは見せない集団。
自ら誘ったくせに、目の前に置かれたハンバーガーの包みを開けることもなく、ただコーラの入った紙コップを両手で温めている。
そんなことをしていると氷が溶けて薄くなるよ、と言いたくてしかたがないのだが止めておいた。
普段から気の抜けた炭酸や氷で薄まってしまったコーラを飲むと、まるで子供のように騒ぎ出すくせに。
弘樹は昔から目立つ存在だったと思う。
決して漫画にあるような好青年でも美青年でもない。どちらかと言えば、三枚目の役者のようにひょうきんで、教室の中心にはいつも弘樹がいた。
例えば、教室にいる人間を3つのグループに分けるとしよう。
1つは自分たちの世界観で生きている、俗に言うオタクだったり少しおとなしくて、悪い言い方をすれば暗い、という集まり。
でも彼らは同じ仲間で集まると僕なんかが想像もしない力を発揮して、正直驚くことが何度かある。
弘樹なんかはそんな彼らを馬鹿にしたりするけれど、こちらに何も害を与えない限りは僕には関係ない。
とは言っても彼らは善良な生き物だ。
こちらが攻撃しない限りは刃を見せることはないのだから。
だからこそ、その牙を剥いた時の変貌振りを想像すると、僕は身震いしてしまうのだけれども。
もう1つは、ごくごく普通の高校生。
大きく目立つこともなければ、毎度のテストでは上位から中盤を占め、適度に学校生活を楽しみ、適度に学校終わりの時間も青春をしているのだろう。
偏見かもしれないけれど、僕はこの手のタイプが一番わからない。
彼らの笑顔が本心からなのか、それともその場をうまく生きていくための生まれながらの処世術なのかを計ってしまい、結果として会話もうまくできない。
彼らに比べれば先に出たグループの方が僕には付き合いやすいかもしれない。
そして、最後。
人からみたら評価は様々な人たち。
軽いとかチャラいと言われることもあれば、同類の女の子たちにはイケてると言われる。
まぁ、人生敵なし、楽しいことが至上主義と思わせる天才だ。
明るい性格を持ち見た目の優れた者はそれだけでそのグループの仲間入りを果たす。
見た目が優れないものは、例えばわざと笑いを誘いながら自分の存在をアピールして、不恰好な見た目を三枚目の役者に塗り替える。
陰でその仲間入りをするために努力をしていることは見せない集団。