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【短編集】real
第1章 拓人
9月1日、長くて、それでも短かった夏休みに終止符を打った日。
弘樹に頼まれて弘樹の彼女に会った。
夏希は名前通り、無邪気に小麦色の肌をさらしながら僕の前に現れた。
短く切り揃えられた髪から覗くうなじも、ショートパンツから伸びる脚も、大きく露わになった背中も。
性的な香りを全く感じさせないほど、真夏の太陽のようなギラギラとした日差しに身を包んだ彼女は、とても眩しくて、僕は意識しないままに目を細めてしまった。
弘樹からは夏希のワガママに振り回されているだとか、財布としか思われてないとか、でもそのためにバイトに時間を割くと機嫌を損ねるとか。
それでも。
彼女と別れたくないとか。
そんな話ばかり聞かされて、てっきり派手な女の人を想像していたのだけれど。
僕の目の前で笑う彼女は、まるで正反対で。
出会った誰もが健康的だと表現するであろう彼女は、ハツラツとした表情で、まるで長年の男友達のような錯覚を呼び覚ました。
それから三人で会うことが増えた。
義務でもなく、自然と僕の携帯のアドレス帳に名前を連ねたのは、祖母以外の女性では初めての存在になった。
そして、なんの権利もないのに、僕は、彼女とメールをする関係になった。
それでもなぜか、僕は弘樹にそのことを言えなかった。
弘樹に頼まれて弘樹の彼女に会った。
夏希は名前通り、無邪気に小麦色の肌をさらしながら僕の前に現れた。
短く切り揃えられた髪から覗くうなじも、ショートパンツから伸びる脚も、大きく露わになった背中も。
性的な香りを全く感じさせないほど、真夏の太陽のようなギラギラとした日差しに身を包んだ彼女は、とても眩しくて、僕は意識しないままに目を細めてしまった。
弘樹からは夏希のワガママに振り回されているだとか、財布としか思われてないとか、でもそのためにバイトに時間を割くと機嫌を損ねるとか。
それでも。
彼女と別れたくないとか。
そんな話ばかり聞かされて、てっきり派手な女の人を想像していたのだけれど。
僕の目の前で笑う彼女は、まるで正反対で。
出会った誰もが健康的だと表現するであろう彼女は、ハツラツとした表情で、まるで長年の男友達のような錯覚を呼び覚ました。
それから三人で会うことが増えた。
義務でもなく、自然と僕の携帯のアドレス帳に名前を連ねたのは、祖母以外の女性では初めての存在になった。
そして、なんの権利もないのに、僕は、彼女とメールをする関係になった。
それでもなぜか、僕は弘樹にそのことを言えなかった。