この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【短編集】real
第1章 拓人
どちらが誘ったのかは覚えていない。
学校帰りのある日、僕たちは自然と小さな、でも古くはないホテルの扉を開けた。
今日が、初めての日になる。
僕は頭ではわかっているのに、妙に冷静な自分をどこか遠くから見ていた。
初めて入ったそこは思ったよりも清潔で、でもどこか雑多で卑猥なその部屋は、改めて現実を思い起こさせる。
入り口で立ちすくむ僕の腕を、夏希は満面の笑みでつかんだ。
そのままベッドになだれこむと、当たり前のようにお互いに衣服を剥ぎ取る。
今から何をするのかは理解しているのだけれど、脳の信号がそれを伝える前に夏希は僕をどんどんと押しては引っ張る。
条件反射で僕の体が動き出したとき、初めて夏希は笑顔を消した。
学校帰りのある日、僕たちは自然と小さな、でも古くはないホテルの扉を開けた。
今日が、初めての日になる。
僕は頭ではわかっているのに、妙に冷静な自分をどこか遠くから見ていた。
初めて入ったそこは思ったよりも清潔で、でもどこか雑多で卑猥なその部屋は、改めて現実を思い起こさせる。
入り口で立ちすくむ僕の腕を、夏希は満面の笑みでつかんだ。
そのままベッドになだれこむと、当たり前のようにお互いに衣服を剥ぎ取る。
今から何をするのかは理解しているのだけれど、脳の信号がそれを伝える前に夏希は僕をどんどんと押しては引っ張る。
条件反射で僕の体が動き出したとき、初めて夏希は笑顔を消した。