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やらし恥ずかし夏休みバイト
第5章 マジシャンの助手
「ご覧いただければお分かりの通り、帯同しているスタッフは全員男性でございまして」
 二人の後ろの席に座っている6名のスタッフの方を、手で指し示しながら言うポロリ。
「私共の会社では、私の妻のみが唯一の女性なのですよ。普段は妻が、助手を務めてくれております。ところが、先日大変なアクシデントが起こりました。妻が事故により、右足を骨折してしまったのです。幸い、3ヵ月後のセクシーマジックショーには間に合う見込みですが、今回のショーには絶対に間に合いません。ところが、助手は必ず女性でないと務まらないのですよ。男女の絡みがあって初めて成り立つステージ……それが、セクシーマジックショーですので。私共は早急に、代役の女性を、社外からお連れする必要性に駆られました。私共はすでにエントリーいたしまして、出演料をお支払いしてありますので、キャンセルには莫大なキャンセル料がかかりますゆえ、おいそれとキャンセルできなくて。そこで私共はつくづく困り果てた末、やむなく、臨時助手の募集へと踏み切ったのです。妻が普段こなしている助手としての作業は、大して難しくもありませんので、未経験の方でも容易にこなせるということが好都合でして、『未経験者歓迎』という形で募集をかけることができたわけです。そして、マドモアゼル朱里を採用させていただいた、という経緯でございます」
 うつむきながら、辛そうに言うポロリ。
 雰囲気に流されやすく、人に同情しやすい朱里は、そんなポロリを見て心が痛くなった。
 ポロリはさらに続ける。


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