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やらし恥ずかし夏休みバイト
第5章 マジシャンの助手
 翌朝早朝、無事にサバニボシ共和国の空港へと降り立った一行は、すぐにホテルへと向かう。
 朱里は機内でぐっすりと眠ったため、早朝なのにそこそこ元気だ。
 ホテルで朝食をとったあと、ポロリが朱里に言った。
「さて、我々はこれから、ショーの打ち合わせをいたしますね。ここからは自由に行動していただいてかまいませんが、午後2時半までには必ず、このホテルのロビーまでいらしてください」
「あ、あの……その打ち合わせ、私は参加しなくてもいいんでしょうか?」
 台本はすっかり読み込んだものの、まだショー全体のイメージが全く湧かず、不安なままの朱里が聞いてみた。
「打ち合わせは2時間程度で終わりますから、ご参加いただけるなら、していただくと我々としても喜ばしいですよ。もちろん!」
 嬉しそうに言うポロリに、朱里も「では、参加しますね!」と明るく答える。
 そして、スタッフ一同は準備後、打ち合わせへと向かった。

 打ち合わせでの話は主に、道具や機材のセッティングに関することに終始し、朱里のショーへの理解を深めることにはイマイチ役立たなかった。
 その後、ポロリたちは現地に住む友人や知人に挨拶回りをする予定らしく、朱里は単独行動をとることに。
 朱里はぶらぶらとあてもなく、徒歩で観光することにした。

 ホテルは海のすぐそばにあったので、まず海へ行くことにした朱里。
 ホテルもマジックショー会場も、どちらも海辺にあるということを事前に聞いていた朱里は、服の下に水着を着てくるという用意周到ぶりだった。
 サバニボシでもこの時期は夏休みらしく、浜辺は黒山の人だかりだ。
 しかし、気にすることなく、朱里は水着になって、海や砂浜をひとりで楽しむことにした。
 遠方に目をやると、海の彼方にぼんやりと、島の影が見える。
 青空の下、海は陽光にきらめき、実に風光明媚だなと朱里は思った。
 朱里はそんな海辺を心ゆくまで楽しんだ。



 その後もひとりでぶらぶらと観光を続け、お昼にはホテルに戻って昼食をとった朱里。
 時間はあっという間に過ぎ、午後2時を回ったので、朱里はロビーで待機することにした。

 やがて、続々とスタッフが集まってきて、全員揃ったことを確認したポロリは、予定より少し早めながら練習会場の体育館へと移動することに。
 一行は雇っておいたタクシーで、体育館へと向かった。


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