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やらし恥ずかし夏休みバイト
第5章 マジシャンの助手
「では、ここからは、マドモアゼルが主役のマジックを重点的に練習いたしましょう」
そう、朱里が大きな役割を果たすマジックが、この直後に控えていたのだ。
それは「瞬間移動マジック」というもので、大きな台座に据え付けられている簡易試着室のような大道具を使用するらしい。
まず、移動可能な「小さな階段」のような道具を動かし、台座にくっつけておく。
そして、朱里がその小階段を上り、試着室風の大道具へと入ると、カーテンを閉める。
小階段を取り除けて、台座と試着室風大道具のみにして……ポロリが「ワンツースリー」と掛け声をかけてから、カーテンを開けると……。
中には誰も居ない、というマジックのようだ。
ところが、タネは単純なもので、実は朱里はカーテンを閉めた直後、後ろ側から脱出し、小階段の影に隠れておくだけのことだった。
そして小階段を撤収していくタイミングで、その後ろにかがみ込んで隠れている朱里も一緒に、舞台袖へ……というわけだ。
その後、朱里は客席の遥か彼方にある正面入り口から再登場することになっているが、舞台袖から裏口経由で外に出て、ぐるっと正面入り口へと回るだけでいい。
「このマジック……本当に皆さん騙されなさるんでしょうか? 単純すぎる気が……」
気になってポロリに尋ねる朱里。
「どんなマジックでもそうです。タネを聞いてみると『なんだ、そんなことか』と思ってしまうのは、当たり前なのですよ。しかし、タネを聞くまでは、騙されていることも多いということです。ご安心ください、きっとお客様にも大受けですから。では、練習してみましょう」
そして、朱里が小階段へとこっそり隠れたり、小階段を別スタッフが慎重に動かしたりする練習が行われた。
時間はあっという間に過ぎ、午後4時前になったところで、一行は会場へと向かった。
本番が行われる予定の、まさにその現場で、本番さながらのリハーサルを行うために。
そう、朱里が大きな役割を果たすマジックが、この直後に控えていたのだ。
それは「瞬間移動マジック」というもので、大きな台座に据え付けられている簡易試着室のような大道具を使用するらしい。
まず、移動可能な「小さな階段」のような道具を動かし、台座にくっつけておく。
そして、朱里がその小階段を上り、試着室風の大道具へと入ると、カーテンを閉める。
小階段を取り除けて、台座と試着室風大道具のみにして……ポロリが「ワンツースリー」と掛け声をかけてから、カーテンを開けると……。
中には誰も居ない、というマジックのようだ。
ところが、タネは単純なもので、実は朱里はカーテンを閉めた直後、後ろ側から脱出し、小階段の影に隠れておくだけのことだった。
そして小階段を撤収していくタイミングで、その後ろにかがみ込んで隠れている朱里も一緒に、舞台袖へ……というわけだ。
その後、朱里は客席の遥か彼方にある正面入り口から再登場することになっているが、舞台袖から裏口経由で外に出て、ぐるっと正面入り口へと回るだけでいい。
「このマジック……本当に皆さん騙されなさるんでしょうか? 単純すぎる気が……」
気になってポロリに尋ねる朱里。
「どんなマジックでもそうです。タネを聞いてみると『なんだ、そんなことか』と思ってしまうのは、当たり前なのですよ。しかし、タネを聞くまでは、騙されていることも多いということです。ご安心ください、きっとお客様にも大受けですから。では、練習してみましょう」
そして、朱里が小階段へとこっそり隠れたり、小階段を別スタッフが慎重に動かしたりする練習が行われた。
時間はあっという間に過ぎ、午後4時前になったところで、一行は会場へと向かった。
本番が行われる予定の、まさにその現場で、本番さながらのリハーサルを行うために。