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やらし恥ずかし夏休みバイト
第5章 マジシャンの助手
「こういう流れですね。マドモアゼルも把握できましたでしょうか?」
 リハーサルが予定より早く終わり、ステージ上に立ったままポロリが朱里に尋ねた。
「不安しかありませんけど……。段取りは完璧に把握いたしました」
「結構です。それでは、撤収して本番を待ちましょう。今ちょうど4時半ですが、ショーの開演は6時からです。トップバッターのミスター・マスタベションズさんのショーが、6時40分まで行われます。休憩時間を挟まないため、我々の出番はその直後でして、6時40分までに準備を終えなくてはなりません。そこから40分間、本番のショーを行うわけです。色んな意味で『本番』のショーが。性的な意味でも……」
「そ、そういうネタ要りませんからっ! こっちは大変な思いで、参加しているのに……」
 思わず朱里がこぼす。
 ポロリは慌てて弁解した。
「いえ、私はマドモアゼルの緊張をほぐそうと……。ごほん、申し訳ございません。以後気をつけます。さぁて、それではいったん撤収いたしましょう。本番へ向けて、エネルギーを蓄えないといけませんね。色んな意味で……おっと、危ない! 何でもありませんぞ!」
 また、しょうもないことをポロリが口走りそうになっていたことは、朱里にも分かったが、もう抗議はしなかった。
 仕方がない、と諦めていたので。
 そして、一行は撤収を開始し、その後ひとまずホテルへと引き返したのだった。


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