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やらし恥ずかし夏休みバイト
第6章 夏祭りの屋台
立ち並ぶ屋台の裏手には、さほど広くはないものの、草むらが広がっている。
そして、佐々岡の屋台の真裏には、小さな青いテントが張られていた。
草むらのやや濃い緑に、テントの青がよく映えている。
左右を見回すと、確かに他の屋台の人々も、バケツだの機械だのを草むらの上に置いているが、テントが張ってあるのは、佐々岡の屋台だけだ。
朱里が尋ねた。
「よそ様と違って、テントを張られているんですね。この中に道具などが?」
すると、佐々岡は豪快に笑って答える。
「道具って言うても、うちらの店は『輪投げ』やろ。輪とかの道具は、もう店先に準備できてるやん。このテントの中には、特に何も入ってへんで」
テントの入り口を開き、中を朱里に見せつつ佐々岡は続ける。
朱里が覗くと、なぜか布団が敷かれていた。
気分が悪くなった人が横になるためのものなのかな、と想像する朱里。
いや、この時点で嫌な予感がしなくてはいけないのだが……。
朱里はどこまでも能天気である。
「この中で、朱里ちゃんに仕事をしてもらうわけやな」
「え? 佐々岡さんのお手伝いってことじゃ……?」
「うん、手伝いは手伝いやで。普通の輪投げの店やったら、お客さんに輪を渡したり、お金受け取ったり、景品渡したりする程度やん? うちは『お楽しみ輪投げ』やしな、それだけやないねん。もしホンマにそれだけのことなら俺一人で十分やし、高いお給料出して朱里ちゃんに来てもろてへんわ。ほな、朱里ちゃんの仕事をもっと詳しく説明したるしな」
そう言うと、佐々岡は20センチ四方くらいの小さなホワイトボードを取り出した。
そこには、「5個 A賞 お菓子」「4個 B賞 お菓子」「2~3個 C賞 お菓子」「0~1個 残念賞」と書かれている。
どうやら、景品についての内容らしい。
A~Cの文字を見て、朱里は嫌な事を思い出した。
桃の販売員として働いたあの日のことを。
しかし、今度はFの文字が見当たらず、胸をなでおろす朱里。
そして、佐々岡の屋台の真裏には、小さな青いテントが張られていた。
草むらのやや濃い緑に、テントの青がよく映えている。
左右を見回すと、確かに他の屋台の人々も、バケツだの機械だのを草むらの上に置いているが、テントが張ってあるのは、佐々岡の屋台だけだ。
朱里が尋ねた。
「よそ様と違って、テントを張られているんですね。この中に道具などが?」
すると、佐々岡は豪快に笑って答える。
「道具って言うても、うちらの店は『輪投げ』やろ。輪とかの道具は、もう店先に準備できてるやん。このテントの中には、特に何も入ってへんで」
テントの入り口を開き、中を朱里に見せつつ佐々岡は続ける。
朱里が覗くと、なぜか布団が敷かれていた。
気分が悪くなった人が横になるためのものなのかな、と想像する朱里。
いや、この時点で嫌な予感がしなくてはいけないのだが……。
朱里はどこまでも能天気である。
「この中で、朱里ちゃんに仕事をしてもらうわけやな」
「え? 佐々岡さんのお手伝いってことじゃ……?」
「うん、手伝いは手伝いやで。普通の輪投げの店やったら、お客さんに輪を渡したり、お金受け取ったり、景品渡したりする程度やん? うちは『お楽しみ輪投げ』やしな、それだけやないねん。もしホンマにそれだけのことなら俺一人で十分やし、高いお給料出して朱里ちゃんに来てもろてへんわ。ほな、朱里ちゃんの仕事をもっと詳しく説明したるしな」
そう言うと、佐々岡は20センチ四方くらいの小さなホワイトボードを取り出した。
そこには、「5個 A賞 お菓子」「4個 B賞 お菓子」「2~3個 C賞 お菓子」「0~1個 残念賞」と書かれている。
どうやら、景品についての内容らしい。
A~Cの文字を見て、朱里は嫌な事を思い出した。
桃の販売員として働いたあの日のことを。
しかし、今度はFの文字が見当たらず、胸をなでおろす朱里。