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やらし恥ずかし夏休みバイト
第6章 夏祭りの屋台
 朱里は悩んだが、ここで辞めることにすると、のちのち自分が後悔することは目に見えていた。
 仕事内容には大いに不満があるものの、もはや他にとるべき道がないと思った朱里。
 目を閉じてかすかに頷くと、朱里は言った。
「分かりました。是非、私にやらせてください」
 佐々岡が狂喜乱舞したのは言うまでもない。
「おお、ヤってくれるか! さすが、朱里ちゃん! 信じてたで! じゃあ、早速そこの布団に寝転んでや」
「ちょ……ちょっとぉ! お仕事を『やる』ってことですよ?!」
「そやから、仕事の一環やん。今、ここで予行演習的な練習をすることもな。ま、5つの輪っかを全て棒に収めるんは、簡単そうに見えて、実は結構難しいさかい、そない数多くの成功者は出んやろけど」
「だったら、練習しなくていいじゃないですかぁ~!」
 なおも嫌がる朱里。
 正論である。
「今も勤務時間なんやし、しょうがないやん。ほな、身体をちょっと触るだけの練習にしとこか。それなら、かまへんやろ?」
「ええ~」
 不満げな朱里の様子を見ても、全く躊躇することなく、佐々岡は朱里を抱き寄せた。
「ちょっと、こっち来て~な。じきに終わるさかい。触るだけやし、な」
 有無を言わさぬ口調で迫る佐々岡。
 諦めたかのような様子の朱里は、言われるがままに布団に座る。
 浴衣に皺(しわ)がつかないように、気をつけながら。


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