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やらし恥ずかし夏休みバイト
第1章 海の家
「えええっ?!」
 更衣室へ入るや否や、朱里は驚きの声をあげる。
 それもそのはず、入ったその狭い一室は、2面がガラス張りだったからだ。
 しかも、そのガラスの向こうには、水着姿の男性が大勢いるのが見える。
 みんな、朱里に気づいた瞬間、一斉にこちらを向いた。
 目をキラキラさせながら。
「ちょっと~。なんで、更衣室がガラス張りなのよ~」
 でも、着替えないと、お仕事を始められない。
 それに、着替えといっても、上着を脱いでエプロンをつけるだけだし、さほど恥ずかしがることもないのかも……と思った朱里は、黙って脱ぎ始めた。
 ガラス越しに、多くの男性が食い入るように朱里の一挙手一投足を見つめているのが、はっきり見てとれる。
 中には生唾を飲み込むような仕草を見せる若い男性までいた。
 上着を脱ぐと、それに引っ張られてトップスが外れてしまうハプニング発生。
「おお~」
 外の男性陣を大喜びさせる結果に。
 その歓声は、ガラスを隔てた中まで聞こえるほどだ。
「いやんっ!」
 朱里は慌てて、ビキニのヒモを結びなおす。
 ガラス側に背を向けて着替えているため、ばっちり正面から見られたわけではないのだが、それでも朱里の羞恥心を刺激した。
「もう~。ほんと何なの、このガラス張りの構造!」
 こっそり文句を言う朱里。
 しかし、もたもたしている時間はない。
 勤務開始まであと数分となっている。
 すぐに朱里は穿いてきたミニスカートを降ろした。
 ただし、今度はビキニが外れないように、慎重に。
「うお~」
 またもやあがる歓声。
 ガラスの外からは、後姿が見えているだけなのに、この盛り上がりだ。
 何となく、少しだけ気分がよくなった朱里は、ビキニの上から手早くエプロンをつけると、男性陣の方へ自ら向き、「オー、イェー!」と叫んでみた。
 満面の笑みで、ガッツポーズと共に。
 すぐに、ガッツポーズと掛け声を返す男性たち。
 ノリノリである。
 朱里も男性陣も。


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