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やらし恥ずかし夏休みバイト
第3章 桃の販売員
「ごほん、あの……。そろそろ、お勘定を支払って、桃をいただきたく……」
 すぐそばで小さな声が聞こえ、ハッとする朱里と橋本。
 声の主は斎藤で、気まずそうにうつむいている。
「あ……。ああっ、そうでした! って、きゃあああ! こんな格好のままっ!」
 我に返った朱里が慌てる。
 つい今の今まで、快感に浸りきるあまり、状況が全く見えていなかったようだ。
 会ったばかりの橋本と、全裸でぴったり抱き合い、生まれて初めて潮を吹き、最高の快感とともにイかされた上に、その場面をばっちり他の男性二人に目撃されていたのだった。
 朱里は身体を離そうとしたが、ギュッと抱きしめる橋本の力が強すぎて、全く動けない。
「ちっ、おっさん……。余計なこと言うなよな。空気を読めって」
 橋本が不機嫌そうに目を細めて言う。
「そ、そうは言うけども。わしもそろそろ帰りたくて」
 そう言ったのは、高原だ。
 高原も斎藤も、いつの間にかしっかり服を元通りに着込んでいる。
 つまり、服を着ていないのは、いまだ一つに繋がったままの朱里と橋本だけだった。
「橋本さん、そろそろ……」
 朱里まで言いにくそうな様子で、橋本に訴える。
「うわぁ~。くっそー! せーっかく、良い気持ちでいたのに!」
 おどけて言う橋本。
「ちょっと~! 誰も何も言わなければ、ずっとこのままいるつもりだったんじゃないですか?!」
 朱里が問い詰めると、橋本はピクリと身体を震わせた。


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