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あたしに全部見せなさいっ!
第7章 やっぱり発情しちゃいますっ!
実際、柚留が美術館で絵を眺めている様子を想像すると、とても絵になった。静かで上品な場所でも似合いそう。
あたしはダメだ。静かになんてできないもん。ああいうしーんとしてる場所より、コミケみたいなわーって場所の方が合ってるし。
「高尚な絵なんて、見ないよー」
脱線しかけた思考回路を、柚留の言葉が引き戻す。
それから一拍間を置いて、ちらりとあたしを覗き見た。
「これは、まりねちゃんが描いた絵だから楽しいんだよ」
「んー?」
言葉の意味がよくわからない。あたしが描いた絵だから? 別の人が描いたのは、楽しくないってこと?
そこまで考えて閃いた。
「柚留もあたしの絵柄が好きってこと?」
「え?」
それならわかる! 絵はよくいろんな人に褒めてもらえるから、唯一自信を持てるところだった。可愛いとか、綺麗とか、上手だね、とか。