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あたしに全部見せなさいっ!
第8章 愛の説教部屋

 柚留にされた拒絶を思い出すと、勝手にまた目がうるうるしてくる。

「もーう、泣くなって! それってつまり、いろんな意味で森永くんが特別ってことでしょ? なんだ、あっちがまりねを特別に思ってるのと一緒じゃん。それもう、ちゃんと好きってことだよ! それが好きってことなのっ!」

 新たな英単語を習得させようとしている先生みたいなニュアンスで、詩織が告げる。
 自然と、その言葉はあたしの中ですとんと落ちた。

「そっかぁ。あたしも、柚留が好きなんだ!」

 もやもやとまとまりのなかった感情に、詩織はきちんと筋道を立て、名前までつけてくれた。
 ふいに詩織が自分の頭をかきむしった。

「本っ当に面倒くさいなぁ! 鈍感ていうか、もはや恋愛音痴なレベル。両思いなのにっ」
「ごめんなさい」
「ほら、悩み解決したでしょ? もう一回森永くんに会いに言って、ちゃんと気持ち伝えてきなよ」
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