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あたしに全部見せなさいっ!
第8章 愛の説教部屋

 ポン、と背中を押す、なんてもんじゃない。席から立たされガツンとケツを蹴られ、空き教室から追い出された。

「い、今……?」
「今行かなかったらいつ行くの!? せっかく自分の気持ちに気付けたんだったら、すぐにでも行動すべきよ!」
「こ、心の準備とか……」
「そんなの、森永くんに会いに向かいながらしなさいっ」

 そんな無茶な! ここから図書室まで、歩いて一分かからないのに!
 ずっとあたしに彼氏を作らせようとしていた詩織は、あたしに好きな人がいたというのがとっても嬉しかったみたい。しかも相手が幼なじみの柚留で、彼もあたしが好きらしいというんだから本当にビックリ仰天だ。
 詩織は全力で応援してくれてる! 全力すぎて、体からメラメラと炎のようなオーラが見えるようだった。
 でもやっぱり、急すぎる! 詩織の言葉は九割納得だったけど、上手に誘導尋問されてただけのような気もするし、気持ちを自覚すると、柚留に対してどんなふうに接したらいいのかわからなくなる。
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