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第8章 愛の説教部屋

「うだうだしてて、森永くんが人のものになっちゃったらどうするの？」
「人のもの？」

　とりあえず空き教室の中にもう一度戻り、ドアを閉める。

「そう、誰かの彼氏に」
「……詩織さっき、柚留のこと男として見てる女子なんてほとんどいないって言ったばっかじゃん？」

　だったら競争率はきっと低いし、短時間で誰かのものになる可能性だって少ない。……そ、それに、本当に柚留があたしを好きだとしたら、他の子となんて付き合わないもん。……多分。

「甘いわね！　あーゆうおとなしくて可愛いらしい草食系男子が好きって女子、意外に増えてんだから。なんてったって、まれに見ぬ美人だし。押しにも弱そうだから、ギャルとか、肉食系女子に強引に迫られたら断れなそうだし。彼女ができなくたって、わがままなあんたに愛想つかして気持ちが冷めちゃうことも、充分あり得る！」