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第9章 二人の気持ち

　突き落とされそうになってるんじゃなくて、襲われてる!?　むろん性的な意味で。
　あれか、痴漢か!?　柚留があんまり可愛いから、女の子と間違えて!?　いや待てよ、うちの制服女子はみんなスカートだぞっ！　じゃあなんだ!?　柚留が男ってわかってて……。

「な、な、ナマBL……っ!?」

　わーお。思わず口に出してから、ぶんぶんと首を振る。
　そんなとこに興奮してる場合じゃないっ！　柚留が襲われる！
　あたしは必死になって二人に走りよった。
　柚留も最初抵抗しようと体をよじっていたけれど、男が柚留の耳元で何かを囁いた瞬間、その抵抗が止まった。
　男と柚留があたしの方へ視線を向ける。柚留はあたしの存在に気付くと、びっくりしたみたいに目を見開いた。
　あとちょっとの距離がもどかしい！
　男は柚留の手首を一纏めにして頭の上で拘束すると、ベスト越しに柚留の胸元をまさぐった。