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あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち

「ゆ……、柚留に……っ、触んなあああああっ!」
そう叫んで、男の左手首、ちょうど肌が剥き出してるところに思い切り噛みついた。柚留の手首を掴んでいる方の腕だ。
「い……ってえっ」
男が反射的に、柚留の手首を離して一歩後ずさる。
あたしは柚留を庇うように柚留の前に割り込んで、思い切り両手を広げた。
「柚留に変なことしないで……っ!」
切れた息を必死に継ぎながら、噛みつくように男を睨み付けた。体格は普通だけど身長も高い。そんな男に恐怖もあったけど、柚留を守りたい一心で精一杯睨み付ける。
柚留に触ったのも嫌だ!
「柚留に触んなっ! 柚留に触ったりエッチなことしていいのは、あたしだけなのっ!」
そのまま柚留の手を引っ掴んで、また駆け出す。男は自転車。早く逃げて、車とか人がもっと多い通りまで行かないと!

