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あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち
柚留を慰めるためとかじゃなくて、本心から、自然とそんな言葉が出ていた。
「可愛くて、おっとりしてて、優しい柚留のまんまでいいの。――あたしはそんな柚留が好きだよ」
陽が完全に沈み、柚留の顔に陰影を落とす。
柚留は小さく首をかしげ、
「それは、どういう意味で?」
と聞いてきた。
「うーん、こんな意味」
あたしは柚留の唇に、自分のを重ねた。柔らかい唇。ぞくりと、背中に何かが走った気がした。
唇を離すと、柚留はちょっと拗ねたように唇を尖らせて。
「……ずるい。それ、僕から言いたかったのに」
「はーい残念でしたー」
あっかんべーと舌を出してみせる。柚留はあたしの舌を、ぺろりと舐めた。びっくりして舌を引っ込めると、今度はあたしの唇を柚留のが塞ぎ、さらに舌を押し込んでくる。
「ふ……っ」
なんだろう。自分からするキスとはまた違う場所が、ぞくりとする。